ドキュメンタリー もう罪は犯さない〜

もう罪は犯さない〜累犯障害者・自立への道


オープニングは手紙の朗読から。
「私とおじいちゃんを裏切った」「一生許すことはできないし」などなどシリアスな文章が続きます。
内容は娘から母に宛てたもの。「何回も家出して−」母が子どもを置いて出ていくというのは余程辛いことがあったのだろうか、残された子どもは寂しかったろうな、祖父と二人で肩寄せ合い、暮らしたのか…しょっぱなから心が締め付けられる内容です。
母の体調を気遣う一方、年老いて一人住まいの祖父を心配しており、できるのならば一緒に暮らしてほしい…と心情を吐露していました(あとでわかることですが、三度目の服役後、「母」は祖父である父に同居を拒否されているのです)


国内の受刑者のうち知的障害の疑いがあるのは約2割。そのうちの一人の女性が「母」であり、『夢は故郷に帰って仕事をみつけて幸せになりたい−』現在自立へ向けて懸命に働いています。
福祉の受け皿に加え施設の働きかけで障害手帳が取得でき、順調に労働実習をこなす日々。働いている時の顔は、とても輝いています。仲間とのひとときも笑顔がこぼれます。
年末。父へ里帰りの電話を入れます。そのときに、実家に戻りたいと言うことを決意(うおーがんばれー!)。
で。
結果は…OKですよOK!(テレビの中の仲間も涙してたけどコチラも涙っすよ、よかったなぁー)
万感の思いで冒頭にあった娘からの手紙を読む母。昔の複雑な思いが見え隠れしつつも母を許し受け入れている娘さん、すごくしっかりした方という印象を受けます。母の健康を気遣い、(やがて自分が嫁ぐため)一人暮らす高齢の祖父の先行きを心配し…心優しい娘さんで泣けます。


故郷での再出発を胸に、今日も労働に汗を流します。最後は書き初め、大きな『就職する』の文字で〆。


累犯障害者は福祉と出会えず貧困から軽犯罪に走るのだそうです。今回、ひとりの女性が顔出ししてそれを教えてくれました。彼女の勇気に敬服するとともに、これからの『幸せ』を願ってやみません。

がんばれー!!